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趣味は写真と旅。仕事は障がいのある方が通う作業所職員で、利用者さんと日々奮闘してます。


by mari8841
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ばあちゃんからの便り

ばあちゃんからの便り_c0030363_20173792.jpg
引越しへ向けて、荷物整理の日々。
引き出しに詰め込んでいた手紙も、
日付け順に並べて箱につめる。

一通ずつ眺めていくと、友達や親からの手紙にまじって、
一緒に住んでたばあちゃんからのはがきがあった。
私が高校を卒業した春から祖母が入院し、
手紙を送ったお返しのはがきだった。



「東京に出発の時 逢えなくて残念でした.
バアちゃんも手術後2週間になります.
毎日毎日元気になり 6月3日に外泊もゆるされました.(1泊)
お手紙書くのはじめてなのでつたなくてごめんネ.」

青いボールペンの少し震えた字。
ほかに祖母の字を見る機会がなかったから、
それが病気のせいか、緊張してるせいか、いつも通りなのかはわからない。

祖母は、その年の夏に亡くなった。
癌だったけど、そのことは本人も私も知らされていなかった。


自分が生まれる前から生活の中に存在した人が、
ある日突然消えたことへの衝撃は大きかった。

どうして教えてくれなかったの??っていう、親への疑問と、
何もできなかった自分への後悔。
その2つが、数年経った今でも消えなくて、
自分の中で消化できない。
そしてもし、病気が癌だと知らされていたら、
私はもっと何かしていただろうか。


いま、もう一人の祖母(96歳)には、
たまに絵葉書を送っている。
寝たきりで外に出れないから、
絵葉書で季節を感じてもらえればいいなーって。
でも本当はただ自分が後悔したくないだけ。


消化できない気持ちを根に持ってるから、
きっと親に対して素直になれないんだ。
by mari8841 | 2007-01-02 20:17 | つぶやき