趣味は写真と旅。仕事は障がいのある方が通う作業所職員で、利用者さんと日々奮闘してます。


by mari8841
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暗闇さんぽ

こないだ'Dialog in the dark'というイベントに行ってみた。
'暗闇を歩くってどんな風なのか'
'視覚障がいのある方はどうして見えなくても歩けるのか'
そんな好奇心で。

視覚障がいガイドヘルパーの講習でも、
目をつむって、ヘルパー役の生徒の肘につかまって街を歩く体験はしたことがある。
でも目をつむるだけだと明るさはまぶたを通してわかるし、コースも単純だった。
「まっすぐ歩いて~」
「右に90度曲がって~」
それくらいの声がけで、ゆっくり歩けば進むことができたのだ。

でも'Dialog in the dark'は予想以上の違いだった。
会場はほんとにまっ暗闇。
たとえば、目の前に何かあると感じても、
それが人の背中か、顔か、それとも壁なのかもわからないほど。
そんな暗闇を1人1本ずつ白い杖を持って、散歩が始まった。



私のグループは、アテンドさん1人と、参加者が7人。
視覚が完全に閉ざされた状況は、
足元の障害物を確認する白杖を持っていたって、
足を踏み出すのがすごく怖かった。
全員が見えない状態で、サポートし合って歩を進める。
「この右に木があります」
「ここから橋です」
アテンドさんと前を歩く人からの情報、
声の方向、白杖が鳴らす地面の音、
地面の質感、目の前の障害物、匂いなどを、
全身で感じ取って、なんとか前へと進んで行った。
コースには階段、砂利道、お祭り、森etc。

そして、40分ほどの散歩が終了。
明りがついた出口の先には、感想をシェアする場が設けられてた。

ここでまず驚いたのは、アテンドさんが視覚障がいを持ち、
普段も白杖を使って歩いている方だったということ。
散歩中は全くそんなこと思いもしなかった。

実は、散歩中に飲み物をもらって小休憩をする場があったのだけど、
・参加者が差し出した手にグラスを渡す
・グラスに飲み物を注ぐ
それがとてもスムーズで、
アテンドさんは赤外線カメラのような特別なメガネでも
着けているんじゃないかと思うほどだったのだ。
でも、見えなくても、散歩コースを何度も歩いて
情報をしっかり頭に入れているから、スムーズに歩けるのだという。

そしてもう一つ予想を裏切られたのは、アテンドさんの話。それは
「楽しめましたか?」
「飲み物の味はいつもと違いましたか?」
「どこが印象的でしたか?」
というような問いかけ中心だった。
まとめ方も、決して、
「街にも障害物がたくさんあります。だから視覚障がい者が
困っていたら、ぜひ声をかけて手を貸して下さい。」
そんな福祉の勉強っぽいものではなかった。
'ワークショップ形式の「暗闇のエンターテイメント」'と
HPで書いている通り。

私は、一緒に参加した人たちが知らない人ばかりなこと
(私以外の6人は、2人ずつ知り合い同士だった)と、
まっ暗闇なために、はじめは二重に不安だった。
そしてグループの中で一番後ろを歩いていて、
前の人の気配が全く感じられなくなった時は
さすがに孤独と不安で、どうしようかと思った。

でも、すぐ前を行く人が、「大丈夫ですか?」と
何度も声をかけてくれたおかげで、少しずつ不安は消えて行った。
そしてなんとか楽しむ余裕も出てきたとこで、散歩終わり。。。
それだけがちょっと残念だったなぁ。
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by mari8841 | 2006-08-03 22:59 | 日記